インフォームドチョイス

 急激に寒い日が増え、体調を崩しやすい季節になりました。皆様お変わりないでしょうか?
 先日、ある病気の情報を見ていたところ「インフォームドチョイス」という言葉を目にしました。「インフォームドコンセントは聞いたことあるけど?」という方も多いのではないでしょうか。恥ずかしながら、私も初めて聞きましたが、調べてみると非常に共感が持てる考え方でしたのでインフォームドコンセントとの違いも含めて紹介します。(^。^)

インフォームドコンセント

 今では、耳にしたことがある方も多いと思いますが、日本では「説明と同意」という言葉で表現されています。病状、検査、治療の内容を医師や、看護師から十分な説明を受け十分納得した上で医療行為に対し同意をすることです。丁度私が高校生の頃に耳にするようになり、大学入学試験の前に「面接で話題になる可能性が高いから覚えるように」と先生に言われた記憶があります。自分が受ける医療行為について説明を受けるのは当然の権利ですし、納得した上で医療行為を受ける事で不安感が減り、治療に対する意欲が向上、結果として治療効果が高くなると言われています。

インフォームドチョイス

 最近では、病状に対して治療方法に複数の選択肢があることも珍しくありません。インフォームドチョイスとは、病状に対する複数の選択肢それぞれについて、メリット、デメリットの説明を受けた上で治療方法を選択することです。例えば、「あなたの今の状態はAという病気だと思います。治療方法は薬で治療する方法、手術をする方法があり、薬だと通院での治療になり3ヶ月ほどの治療期間がかかります。手術ですと2泊3日の入院が必要ですが、退院後よりすぐに仕事に復帰できます。ただ、どうしても治療しないといけない病気ではないため、痛みなどがなければこのまましばらく治療せず様子見るのも一つの選択肢ではないでしょうか?」と説明を聞き、よく考えた上で、手術する方法を選ぶといった形です。医療者側からの一方的な押しつけではなく、患者さん一人ひとりが、複数の治療選択肢に対し、効果、副作用、危険性、治療期間、医療費などの違いについて理解した上で、より御自身の希望に近い方法を選択することができるのが、この方法の良い面だと思います。

 重要なことは、インフォームドコンセントもインフォームドチョイスも主役は患者さんであることです。時々若い医師が「いまから、BさんのIC(インフォームドコンセント)してきます」と言っているのを見かけますが、大きな間違いで、この場合、インフォームドコンセントをするのは医師ではなく、Bさんなのです。

 すべての選択肢を提示することはなかなか難しいですし、逆に選択肢が多すぎると決められないという問題があります。それでも可能な限り様々な選択肢をお示しすることは、患者さんが主役の医療を提供するためには大切なことだなぁと感じました。

これからも様々な選択肢を提供できるよう、私も常に新しい知識を更新していきたいと思っています。皆様も、何かご不明な点はお気軽にご質問くださいね!( ◠‿◠ )