超音波と私②

 紅葉が見頃な季節になりましたね。前回の続きです。ちょっと専門的なお話になりますが、よかったらお付き合いください  ♪(*^^)o∀*∀o(^^*)♪

岐阜市民病院で研修をさせていただくことになったのですが、その頃は若手消化器内科医アルアルだとは思うのですが、見学、補助だけだった一年目から、ようやく少しずつ携わらせてもらえるようになった内視鏡検査の魅力に取り憑かれ、「早く内視鏡上手くなりたいな」としか思っていなかった記憶があります。ただ、週1回超音波検査の枠があり、外来患者さんの検査を毎週5-10件ほど自分一人で担当することになっていました。ルーチーンの腹部超音波検査(肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓等の腹部臓器を満遍なく観察して病気がないかを確認する検査です)を、満足に出来ない2年目の私が一通り検査を行なって、検査結果を記載し患者さんに帰っていただくという、今から考えるとトンデモナイ話ですが💦、当時はとにかく検査が終わらないと内視鏡検査を見に行けないので、必死に本を読み、形だけでも同じ画像を出そうとしていた記憶があります。先輩医師も内視鏡検査は一緒に教えてもらえるのですが、忙しい方ばかりでしたので、超音波検査まで教えていただく時間はありませんでした。しかし、当時一緒に超音波検査をさせていただいていた超音波検査士の方々が非常にレベルの高い方ばかりで、色々教えていただけたのは今から思うと非常に恵まれた環境だったのだと思います。

 そうこうしているうちに、上司の先生(この方にはその後医師人生の大半において事ある毎に御指導いただきました)から声をかけていただき、半ば強制的に日本超音波医学会に入会することになりました。更に、「超音波の診断講習会に行って来い」と言われて参加。そこでは「主膵管はちゃんと観察して計測する」「総胆管は胆嚢の背側に門脈とともに描出して満足するのではなく、膵内胆管まで描出する」など、それまで自分が「何とか教科書と同じような絵だけを出せば良い」と思っていた超音波検査とは全く次元の違うことを熱く講師の先生方が語っておられ、受講者の熱量も高く、「こんな姿勢で超音波検査していてはダメだ」と強く感じるようになりました。とはいえ、すぐに上達するわけでもなく、この頃はまだ「内視鏡が上手い医師になりたいな、でも超音波も一通りはしっかり出来ないと」程度の気持ちで2年間の研修医生活が終わったような記憶です。。

〜つづく〜

超音波と私①

2020年10月に開業させていただいた当院も、早いもので3年目に突入しました(๑>◡<๑)

最近では、日によっては診療をお待たせすることも増えてしまい、待ち時間の対策を日々講じている状況です。本来お叱りを受けてもおかしくない状況ですが、皆様からは温かいお言葉をいただくことが多く、スタッフ一同申し訳ない気持ちと同時に、非常にありがたい気持ちでいっぱいです。皆様の優しさに甘えることなく、今後もより良い診療が提供できるよう努力してまいりますので、温かい目で見守っていただけると嬉しいです。

実は待ち時間が増えてしまう一つの原因が、超音波検査を診療にかなり多く利用しているという、私の独特な診療スタイルにあります。2周年を迎えたこの機会に、一度私と超音波の出会いから今までを振り返ってみたいと思います。普段あまり話すことがない内容ですが、私の診療に対する考え方、想いが少しだけでも皆様に伝われば幸いです。(かなり長い内容になりそうですので、複数回に分けてアップする予定です。)  

今では、私の診療には欠かせない超音波ですが、そもそも私と超音波の出会いは多くの医師と同様、学生実習、そして大学病院での研修医1年目に、同級生同士で練習するといったありきたりのものでした。「当てるだけ」で画像が出る超音波なのですが、目的の臓器の画像をしっかり出す事は意外と難しく、胆のう等の比較的簡単に画像が出る臓器が写っただけでも当時は喜んでいました。ただ、この頃は当時の指導医の先生から、「鑑別診断」(機会があればこれについてもブログに書かせていただこうと思いますが、患者さんの訴えからできるだけ多くの可能性がある病気を想定してそこから検査結果等を考慮して正しい診断に行き着く診断方法です。)の厳しい指導を受けていたこともあり、医師としても何もできない未熟な状態でしたので、入院されている自分の担当患者さん一人一人を毎日回診するだけで一日が終わってしまい、超音波のトレーニングはほとんどする時間がなかった記憶があります。当然、超音波に対する特別な想いが湧くこともなく、多くの医師と同じように画像検査の一つとしか捉えていませんでした。

その後、超音波との本格的な出会いは研修医2年目になりますが、長くなってしまいましたので、次回の記事で書かせていただきますね。(^з^)-☆

感染性腸炎について。

 急激に暑くなってきましたが、皆様体調を崩されたりしていませんか?💦
最近、下痢や吐き気などの胃腸炎症状のご相談が増えています。
 実はこの時期、感染性腸炎に注意が必要です。下痢、吐き気などの症状で病院を受診され、「胃腸風邪ですね」とか「(急性)胃腸炎ですね」等と診断された経験がある方も多いと思います。このような場合、感染性腸炎が疑われていることになります。


 感染性腸炎には、主にウィルス感染により、小腸に炎症を伴う小腸型、細菌感染により大腸に炎症を伴う大腸型が存在します。
 ウィルス感染による小腸型の場合、多くは吐き気止め、整腸剤等を服薬する対症療法にて3日ほどで症状が改善することが多いですが、ノロウィルス等による症状が強いタイプの感染症で脱水が目立つ場合は、点滴治療が必要になります。
 細菌感染による大腸型も自然に症状が治まる方もみえますが、サルモネラ、カンピロバクターによる腸炎の場合、発熱、下痢症状が強いことがあり、抗菌薬の投与が必要になる場合もあります。特に、これから夏にかけての気温が高くなる時期、卵、鶏肉等の不十分な加熱により感染する危険性が増えるため、注意が必要です。
 当院では、吐き気、下痢症状に対しても、腹部の超音波検査を活用し、炎症を起こしている部位(感染部位)を特定し、小腸型、大腸型のいずれかを判断します。その上で症状の強い大腸型の患者さんに対してのみ、抗菌薬を投与する方針としています。この様に超音波検査を活用する事で、不必要な抗菌薬投与を避け、尚且つ症状の強い患者さんができるだけ早く回復できるような治療を提供できるのではと考えています。
 辛い吐き気、下痢などの胃腸炎症状でお困りの際は、早めにご相談ください。( ͡° ͜ʖ ͡°)

日本超音波医学会に参加してきました。

 こんにちは。新年のご挨拶以降、ブログの更新が出来ていませんでした。

 新しい情報や、話題を中心に更新していきたいなと考えていますが、なかなか筆が乗らず・・。新型コロナウィルスの蔓延以降、様々な学会、講習会等になかなか参加出来ず、私自身の知識が更新できなかったので、ネタが思い付かずでした( ̄▽ ̄;)

言い訳はこれくらいにして本題です。以前は毎年参加していた日本超音波医学会が、今回名古屋市での開催とのことで昨日2年ぶりに参加してきました。久しぶりの参加でしたので、どれも新鮮な内容でしたが、得にPOCUS(Point of Care Ultrasound) 関連の講習会、演題が充実しておりほぼ一日その内容を聞いていました。

 POCUS(ポーカス)とは、簡単に言えば患者さんの症状などに合わせて、必要な部位に聴診器のようにエコーを当てて診断や治療に役立てていくというコンセプトのことです。例えばお腹が痛い患者さんがいて、症状を聞いて(問診)、お腹の音を聞いて(聴診)、お腹を触って(触診)診断するよりも、さらに痛い部位中心に超音波で何があるかを観れば当然得られる情報も多くなり、より正確な診断につながるはずです。3-4年ほど前から、このようなコンセプト名が出てくるようになり私も積極的に日頃の診療に取り入れていましたが、改めてその利点、課題、さらに他の先生方の「そんなやり方もあるんだ」といった方法を学んで非常に刺激を受けました。今日からの診療にも使えそうな方法も多く、早速取り入れながら、これからもより精度の高い診断を目指して頑張ります。

 最近はオンラインでの学会や研修会に慣れてしまい、それはそれで楽なのですが、今回は久々に会場で生の講演を体感でき、とても楽しかったです。来年も参加できるといいなぁ( ◠‿◠ )

新年のご挨拶

 あけましておめでとうございます。2021年は、コロナウィルス感染症抜きでは語れない一年でしたが、2022年もオミクロン株の拡大が心配される年明けになってしまいました。今や毎日の体温測定は当たり前、熱や咳にとても敏感になり、おちおち風邪も引けないなぁと思われている方も多いのではないでしょうか。(^◇^;)

当院の方針としては、昨年同様十分な感染対策の上で発熱への対応も行いつつ、通常の診療の質を更に挙げられるよう頑張っていきたいと思います。

 発熱というと、インフルエンザが蔓延していない今日ではどうしてもコロナウィルスが頭をよぎりますが、発熱の3大要因は、感染症、膠原病、悪性腫瘍といわれており、感染症以外の発熱も十分に可能性があります。これら感染症以外の膠原病、悪性腫瘍においては、より早期に正確な診断を行うことが予後に直結する場合も少なくありません。実際のところ、昨年当院に発熱で受診され感染症以外の疾患が見つかった方もみえ、コロナウィルスだけにとらわれず、幅広い視野から診断することの重要性を再確認させられました。

今年度も、皆様のちょっとした訴えを大切にしながら、よりよい医療を目指していきますので、どうぞよろしくお願い致します。 m(_ _)m

エクロックゲル長期処方解禁されました

原発性腋窩多汗症(脇汗)の治療薬として処方させていただいておりますエクロックゲルについてです。

新規薬剤であったためこれまで1回の診察につき14日分(1本)しか処方ができませんでしたが、12月より市販後1年が経過し、1回の診察につき複数本の処方が可能となりました。より継続して使用していただきやすくなったと思います。
 脇汗でお困りの方は一度ご相談ください!

原発性腋窩多汗症についてはこちらの当院ページでも紹介していますので御参照下さい。https://otsuji-naika.com/wakiase.html

インフォームドチョイス

 急激に寒い日が増え、体調を崩しやすい季節になりました。皆様お変わりないでしょうか?
 先日、ある病気の情報を見ていたところ「インフォームドチョイス」という言葉を目にしました。「インフォームドコンセントは聞いたことあるけど?」という方も多いのではないでしょうか。恥ずかしながら、私も初めて聞きましたが、調べてみると非常に共感が持てる考え方でしたのでインフォームドコンセントとの違いも含めて紹介します。(^。^)

インフォームドコンセント

 今では、耳にしたことがある方も多いと思いますが、日本では「説明と同意」という言葉で表現されています。病状、検査、治療の内容を医師や、看護師から十分な説明を受け十分納得した上で医療行為に対し同意をすることです。丁度私が高校生の頃に耳にするようになり、大学入学試験の前に「面接で話題になる可能性が高いから覚えるように」と先生に言われた記憶があります。自分が受ける医療行為について説明を受けるのは当然の権利ですし、納得した上で医療行為を受ける事で不安感が減り、治療に対する意欲が向上、結果として治療効果が高くなると言われています。

インフォームドチョイス

 最近では、病状に対して治療方法に複数の選択肢があることも珍しくありません。インフォームドチョイスとは、病状に対する複数の選択肢それぞれについて、メリット、デメリットの説明を受けた上で治療方法を選択することです。例えば、「あなたの今の状態はAという病気だと思います。治療方法は薬で治療する方法、手術をする方法があり、薬だと通院での治療になり3ヶ月ほどの治療期間がかかります。手術ですと2泊3日の入院が必要ですが、退院後よりすぐに仕事に復帰できます。ただ、どうしても治療しないといけない病気ではないため、痛みなどがなければこのまましばらく治療せず様子見るのも一つの選択肢ではないでしょうか?」と説明を聞き、よく考えた上で、手術する方法を選ぶといった形です。医療者側からの一方的な押しつけではなく、患者さん一人ひとりが、複数の治療選択肢に対し、効果、副作用、危険性、治療期間、医療費などの違いについて理解した上で、より御自身の希望に近い方法を選択することができるのが、この方法の良い面だと思います。

 重要なことは、インフォームドコンセントもインフォームドチョイスも主役は患者さんであることです。時々若い医師が「いまから、BさんのIC(インフォームドコンセント)してきます」と言っているのを見かけますが、大きな間違いで、この場合、インフォームドコンセントをするのは医師ではなく、Bさんなのです。

 すべての選択肢を提示することはなかなか難しいですし、逆に選択肢が多すぎると決められないという問題があります。それでも可能な限り様々な選択肢をお示しすることは、患者さんが主役の医療を提供するためには大切なことだなぁと感じました。

これからも様々な選択肢を提供できるよう、私も常に新しい知識を更新していきたいと思っています。皆様も、何かご不明な点はお気軽にご質問くださいね!( ◠‿◠ )

一周年😆

 こんにちは。久しぶりの投稿となってしまいました(;・∀・)

皆様のおかげをもちまして、おつじ内科クリニックは一周年を迎えます。1年前はコロナウィルス感染症が広がる真っ只中のオープン。初日来院患者さん0からのスタートでした。(凹みました・・・。この日のことは一生忘れないと思います。)
「来てくれた患者さんお一人おひとりのお話をしっかり伺って、より良い選択肢が提供できれば・・」との思いで日々診療しておりましたが、日毎に忙しくなっていき、気づいたらもう1年、ほんとにあっという間でした。
 町のクリニックとして少しは定着できたのでしょうか。最近ではちょっとした相談などで気軽に来院いただく方も増え、私も勉強の毎日で非常に充実しています。(最近は蜂に刺された方のご相談が複数ありました。特にスズメバチには注意くださいね🐝)
 この冬はコロナウィルス感染症が治まってゆくのか、次の波がやってくるのか、まだまだ不透明な手探りの中での医療が続きます。そんな中で、少しでも安全でより良い医療を提供し続けていけるよう今後も努力していきますので、これからもどうぞよろしくお願い致します‼

肛門周囲の皮膚トラブルについて

こんにちは。

なかなか更新できないうちに、もう梅雨☔️の季節。蒸し暑い日々が続きますね。当クリニックでは、日々感染対策を行いながら診療を行なっていますが、防護服を着て屋外に出ると1分もしない間に汗びっしょりになります(^^;;


今回は最近ご相談が増えている、お尻、肛門周囲の皮膚トラブルのお話です。。
「お尻、肛門のあたりが痒い、ピリピリする。」このような症状でご相談をいただく方に認められるのが、肛門周囲皮膚炎です。下着などでの機械的刺激や、汗・腸液などでの蒸れ、ウォシュレットでの洗い過ぎなど様々な原因で発症しますが、特に今の時期は汗が原因で起こる湿疹が多く見られます。治療は原因、皮膚の状態によって異なりますが、一般的にはステロイド等のアレルギー反応を抑える軟膏や保湿剤、傷がある場合は皮膚を保護する塗り薬を使用します。
 また、カビ(真菌)やたむし(白癬菌)等の感染が原因のこともあり、皮膚の状態を診て外用薬を使い分けることが大切になります。
 このように、適切な外用薬を使用することで症状が改善する事がほとんどです。ご自分では直接見ることが難しい部位です。お困りの場合はどうぞ気軽にご相談下さい🎶

便潜血について

本年度も5月より特定健診、各種がん検診が始まります。何気なく受けた検診で要精密検査となり、不安💧になられる方も多いと思います。

今回はその中から、大腸がん検診で行っている便潜血検査についてお話ししたいと思います。

大腸がんは50歳台から増加し始め、年齢が高くなる程多くなるとされています。研究結果によると1日法による大腸がん検診(現在は2日法が一般的です)を毎年受けることで、大腸がんでの死亡率が60%減るとされています。まずは毎年しっかり便潜血検査を受けることが大切ですね!!

では、万が一便潜血検査の結果、陽性となった場合はどうしたら良いのでしょう?

便潜血陽性の方に対し、当院では👆の表の流れで検査をお勧めしています。

便潜血陽性の方から大腸がんが見つかる確率は3%程と言われています。痔や、腺腫性ポリープ(大きくなると癌になる可能性があるポリープです。)が見つかる確率は40〜50%程度と言われており、決して、便潜血陽性=大腸がんではありません。しかし、ポリープなどが見つかる確率を考えると、便潜血陽性であった場合は大腸内視鏡検査を受けることを強くお勧めします。「来年の便潜血検査で引っ掛かったら病院に行こうかな?」と考えられている方もみえるかもしれませんが、万が一癌があった場合は進行する危険があります。ポリープの場合も翌年までに大きくなり、日帰りで切除できなくなる可能性もあるため、必ず病院で相談されることをお勧めします。

大腸内視鏡検査を受けた後は表にあるように、がんの疑いがなかった場合はまた翌年から便潜血検査による大腸がん検診を受けていただければ問題ありません。また、ポリープもしくは早期の大腸がんが発見された場合は、日帰りでの内視鏡治療を行い、その後は翌年に内視鏡の検査をお勧めしています。その上で新たなポリープ、早期がんが発見されなければ、翌々年から便潜血検査での検診に戻っていただければ良いのではないかと考えています。

新型コロナウィルスによる感染が中々収束せず、昔のような日常生活が取り戻せない日々が続いていますが、そんな今だからこそ積極的に健康診断、がん検診を受け「入院しなくても良い身体」を保つことが大切です。当院でも4月から大腸内視鏡検査を受けていただくことが出来るようになりました。まずはお気軽にご相談ください╰(*´︶`*)╯