便潜血について

本年度も5月より特定健診、各種がん検診が始まります。何気なく受けた検診で要精密検査となり、不安💧になられる方も多いと思います。

今回はその中から、大腸がん検診で行っている便潜血検査についてお話ししたいと思います。

大腸がんは50歳台から増加し始め、年齢が高くなる程多くなるとされています。研究結果によると1日法による大腸がん検診(現在は2日法が一般的です)を毎年受けることで、大腸がんでの死亡率が60%減るとされています。まずは毎年しっかり便潜血検査を受けることが大切ですね!!

では、万が一便潜血検査の結果、陽性となった場合はどうしたら良いのでしょう?

便潜血陽性の方に対し、当院では👆の表の流れで検査をお勧めしています。

便潜血陽性の方から大腸がんが見つかる確率は3%程と言われています。痔や、腺腫性ポリープ(大きくなると癌になる可能性があるポリープです。)が見つかる確率は40〜50%程度と言われており、決して、便潜血陽性=大腸がんではありません。しかし、ポリープなどが見つかる確率を考えると、便潜血陽性であった場合は大腸内視鏡検査を受けることを強くお勧めします。「来年の便潜血検査で引っ掛かったら病院に行こうかな?」と考えられている方もみえるかもしれませんが、万が一癌があった場合は進行する危険があります。ポリープの場合も翌年までに大きくなり、日帰りで切除できなくなる可能性もあるため、必ず病院で相談されることをお勧めします。

大腸内視鏡検査を受けた後は表にあるように、がんの疑いがなかった場合はまた翌年から便潜血検査による大腸がん検診を受けていただければ問題ありません。また、ポリープもしくは早期の大腸がんが発見された場合は、日帰りでの内視鏡治療を行い、その後は翌年に内視鏡の検査をお勧めしています。その上で新たなポリープ、早期がんが発見されなければ、翌々年から便潜血検査での検診に戻っていただければ良いのではないかと考えています。

新型コロナウィルスによる感染が中々収束せず、昔のような日常生活が取り戻せない日々が続いていますが、そんな今だからこそ積極的に健康診断、がん検診を受け「入院しなくても良い身体」を保つことが大切です。当院でも4月から大腸内視鏡検査を受けていただくことが出来るようになりました。まずはお気軽にご相談ください╰(*´︶`*)╯

花粉症のお薬②

前回に引き続き花粉症のお薬の話題です。

前回、花粉症のお薬の世代についてお話ししましたが、ではその中で、どんなことを考えながら、お薬を選んだら良いのでしょう?

まず初めに、どんな病気にも当てはまることかもしれませんが、「最強の薬」というものは存在しません。それぞれの薬にそれぞれの良いところがあり、役割があります。その中で、「使いやすい薬」「結果(効果)が実感しやすい薬」があるというのが僕の認識です。花粉症の薬に当てはめると、やはり、眠気や注意事項が少ない薬が「使いやすい薬」だと思います。。

👆の表で自動車運転制限の欄があると思いますが、これは添付文書(医師や薬剤師が確認する薬の取扱説明書のようなものです。)に「眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう十分注意すること」と書いてあるか否かです。つまり「有」のお薬は比較的眠気が出やすいと考えられます。眠気に注意しなければならない方はこの欄が「無」のお薬から選ぶと、それほど眠気を感じずにすむことが多いです。

もう一つ考えないといけないことは、「効果が出なければ意味がない」という事です。副作用が少ないことより、本来の目的である鼻水や、目の痒みといった花粉症の症状を改善することが重要です。効果については様々な意見があるとは思いますが、やはり新しい薬は、以前の薬に加え何らかの付加価値が与えられて誕生している薬がほとんどです。個人差はあるものの、効果が実感しやすい上に、副作用も随分と抑えられているものが多いです。とにかく症状を抑えたい場合は、5年以内に発売されているデスロタラジン(デザレックス®︎)、ルパタジン(ルパフィン®︎)、ビラスチン(ビラノア®︎)から選択して行くと結果が出やすい印象です。

では新しい薬のデメリットは何でしょうか? それはズバリ「薬剤費」です。花粉症は季節性の病気とはいえ、スギ、ヒノキだけでも3ヶ月ほど、更にイネ、ブタクサなども含めると数ヶ月単位でお薬が必要になり、健康保険が適応されているとはいえ、お薬代が馬鹿になりません⤵︎。 後発品(ジェネリック医薬品)が存在する薬であれば、薬剤費が比較的安く抑えられるため、十分な効果が出ている患者さんには必ずしも新しいお薬は必要ないのではないかと僕は考えています。

花粉症治療を進めていく上で、どのお薬が一番良いかは「効果」「費用」「副作用」をバランスよく考えることが重要だと思います。更に、点眼薬、点鼻薬を組み合わせることで、それぞれの症状を狙って👀抑えていきます。。

花粉症でお悩みの方はお気軽にご相談くださいね(^_-)

花粉症のお薬①

院長です。。

3月も中旬を過ぎ、スギ花粉の飛散量が増えつつありますね。当院でも花粉症のご相談を受けることが増えてきました。僕自身、アレルギーの専門家ではありませんが、ご相談には正しくお答えできる準備はしておきたいですし、「自分が自信をもって勧められる治療やお薬を患者さんにも提供したい!!」という思いはどんな疾患でも変わらず持ち続けています。

花粉症の患者さんが訴えられる内容は様々ですが、ご要望は大きく分けて、「そろそろ症状がでてきたので、毎年飲んでいる〇〇が今年も欲しいです」、「〇〇を飲んでいますが、効果が今ひとつなので他に良い薬はないでしょうか?」が多いように思います。実際花粉症の薬はどのようなものがあり、どのように選択するのが良いのでしょうか? 僕の知識を整理する意味でも、今一度考えてみることにしました(^。^)

花粉症に対して、主に使われている薬は、第二世代抗ヒスタミン薬と呼ばれるタイプのお薬です。👆に1990年以降に発売された第二世代と呼ばれるタイプの抗ヒスタミン薬をまとめてみました。(1990年以前発売の第二世代抗ヒスタミン薬は、僕が普段処方しているものが含まれていないため省略しています。)

第二世代というからには第一世代もあり、ジフェンヒドラミン(®レスタミンコーワ)、d-クロルフェニラミンマレイン酸塩(®ポララミン)、シプロヘプタジン塩酸塩(®ペリアクチン)等です。これらは、現在も処方を見かけますし、市販の風邪薬、アレルギーの薬の一部に含まれていますが、特徴としては、アレルギー症状を抑える作用としては比較的強い反面、眠気、口の乾き等の副作用も強く出ます。「昔強い薬を出してもらったら眠気と口の乾きがひどかったので、弱い薬でいいです」と言われる患者さんもみえますが、詳しく伺うとこのタイプの薬が処方されていることが多い印象です。そのため、最近では花粉症等の鼻アレルギーに対しては第一世代の抗ヒスタミン薬はガイドライン上も推奨されていません。

第二世代の抗ヒスタミン薬は、眠気等の副作用が軽減され、アレルギー症状を抑える効果はしっかり得られることが特徴です。「アレルギーを抑える強さ≠眠気などの副作用の強さ」ではなくなっており、僕も外来では、第二世代の抗ヒスタミン薬から、患者さんの症状、状況に応じて、薬を選んでいます。市販のOTC医薬品で花粉症対策をされている場合も、できるだけ第二世代抗ヒスタミン薬から選んでいくのが良いでしょう。。。

次回は薬を選ぶ基準等をもう少し詳しく説明したいと思います。

発熱診療用ユニットハウス設置しました

院長です。。

院内には発熱や感染症疑いの患者様専用の診療スペースはあるのですが、狭いことや防護服に着替える際に不便を感じ、結局、昨年末よりお車のまま駐車場で診察させていただくなどしておりました(^◇^;)

しかし、車内での診察ではやはり十分な観察ができないことも多く、下痢などの腹部症状が強い方もみえるため、色々不自由があり・・・。様々な方法を模索する中で、車一台分のスペースに設置できるユニットハウス導入を決め、ようやく先日完成しました!! 内部にベッドもあるので、抗生剤などの点滴も可能です。何よりもこれで完全にクリニックの診療スペースと、発熱対応スペースが分離され、患者様、私を含めスタッフの安全が確保され、皆さまにも、安心して診療を受けていただけるのではないかと期待しています⤴︎⤴︎

岐阜県のコロナウィルス新規感染者数はここ数日少ない人数で推移していますが、変異株が報告されまだまだ安心できません。これからも、より質の高い医療が提供できるようスタッフ一同頑張っていきますので、どうぞよろしくお願いします。。。